MacOS 10.3(Panther) でTeXを使おう

お断り

これは芝が使っている環境であり、唯一最高のTeX環境とは言えません。またもっと良い使い方や適切な設定もあると思いますが、これでTeX原稿が書けて印刷できているのだから良しにしています。TeXそのものの文法についてはLaTeX 入門(吉永徹美さん)をご覧下さい。

私は、以下の二つの作業環境を併用しています。いずれにしてもpTeXとGhostScriptは必須です。プレゼン資料などに貼付けるために、数式のみを独立画像として作るのには、"LaTeX Equation Editor"に日本語環境対応パッチ(対応の意味がちょっと難しいが、、、)があてられたものを使用しています。(詳細は後述)

mi + TeX Tools + MxDvi

正規表現を使った一括編集などができるので大規模な文章を書くのに適しています。印刷イメージ(これをタイプセットと呼ぶらしい)を閲覧するには"MxDvi"を使います。複数ページの閲覧では、次のページを見るのに、メニューで選ぶか command+N などを入力するのがちと面倒です。

TeXShop

仕上がり具合を見つつ調整したり、PDF化するのに便利です。TeXShopのタイプセットビュアーはアイコンスイッチでページ切り替えができるのが取っ付きやすいです。

ソフトの入手

pTeXとGhostScriptパッケージ

小川さんのサイトはパッケージの入手には最適。書いてある解説はTeX初心者には正直なところよく分からない。
pTeX(sjis) + JMacoros package for MacOSXESP Ghostscript 7.07.1 for MacOSX 10.2/10.3をダウンロードしよう。

テキストエディタ mi

上山大輔氏によるフリーのテキストエディタ。軽快な動作とTeX文章作成モードやHTML作成モードなど、ユーザさんたちが拡張モジュールを作ってくれていて便利。これに栗田氏のTeX Tools for miという拡張モジュールを組み込むと、ツールメニューからTeXの代表的タグを挿入することができるようになるし、TeXファイルからdviファイルを作成し閲覧するようコントロールすることができます。dviファイルの閲覧(完成紙面)と印刷には内山氏のMxDviを使ってます。きちんと設定できていれば、miでTeX原稿を書きつつ"command+s"でTeXファイルセーブ、"command+K"でMxDviによるタイプセット閲覧までシームレスに作業を行えます。

ただし私の印刷環境(EPS GhostScript7.07.1+Ricoh imagio Neo C320 をEthernet接続してRPDL III で使用< RPDL IVでは印刷そのものができなかった)では、MxDviできちんと見えているのに印刷するとモザイク画みたいなだめだめ印刷になってしまいました。プリンタをUSB 接続したCanon BJ F870に替えればきれいに印刷されるので、プリンタ設定の不具合だと思います。

TeXShop

TeX文章作成、完成紙面閲覧、PDFファイル作成までを一つで行うすばらしいソフト。上記不具合のある私の印刷環境でも、これを使ってPDFファイル化したら Ricoh RPDL III できれいに印刷することができました。

インストールと設定

小川氏のEPS GhostScript 7.07.1を導入する

ダウンロードしてインストール用パッケージを起動するだけ

小川氏のpTeXパッケージを導入する

pTeXはインストール用パッケージを起動するだけでよい。
ただしこれに"pdfmFontChange"というアプリケーションが添付されているので、pTeXやGhostScript(GS)をインストールしたあとで、これを起動して、pdf化するときに使用するフォントを設定しなければなりません。設定はRyumin、Hiragino、RyuminProの三者択一ですが、RyuminProを選択するとTeXShopでフォント置換エラーが出て、ゴシック指定のところがAdobeType1フォントに代替され明朝体になってしまいました。Hiraginoを選ぶとゴシック体にはなったものの、MSゴシック体的なぶっといフォントで印刷されてしまいました。画面プレビューに一番近いのはRyuminであったので、これをお薦めします。

必須の設定

これで動くかと思いきやそうはいかない。TeXやGSの実行形ファイルは、/usr/local/bin フォルダ(ディレクトリ)にインストールされているが、パッケージインストールをしただけでは、このフォルダへの検索パスが設定されないため実行系ファイルにたどり着くことができません。(これをサーチパスが通っていないと言う)これはPanther特有の現象らしい。

そこで「アプリケーション」フォルダの「ユーティリティ」フォルダにある"ターミナル(terminal)"アプリを起動して、下記の要領で検索パスに /usr/local/bin を追加します。以下の解説で黒字部分は自分でキー操作する部分、青字部分は画面表示される文字です。

	cd /etc ←ターミナルアプリのウインドウに自分で打ち込む
	sudo vi profile		←root 権限を取得して、vi エディタで profile ファイルを編集する


		We trust you have received the usual lecture from the local System
		Administrator. It usually boils down to these two things:

        	#1) Respect the privacy of others.
        	#2) Think before you type.

		Password:ここに管理者(rootユーザ)のパスワードを入れる。
		パスワードがあっていれば、vi エディタによる編集画面になります


		# System-wide .profile for sh(1)

		PATH="/bin:/sbin:/usr/bin:/usr/sbin" ←ここの行にパスを追加する


		export PATH

		[ -r /etc/bashrc ] && source /etc/bashrc

PATHで始まる行の、最後の/usr/sbinのnの部分にカーソルを持ってきて小文字のaを押す。するとsbinの後ろに文字を挿入することができるので :/usr/local/bin を書き加えます。 (間違ってほかのキーを押したりしたらescキーを押してやり直しです。 escキーのあとでxを押すとカーソルの前の一文字を消すことができます。)

		# System-wide .profile for sh(1)

		PATH="/bin:/sbin:/usr/bin:/usr/sbin:/usr/local/bin"


		export PATH

		[ -r /etc/bashrc ] && source /etc/bashrc

このように変更することができたらescキーを押してから、ZZ(大文字のZを二連発)でファイルセーブして編集終了。 その後Macの再起動をかけることで変更内容が反映されてTeXやGSが使えるようになります。

mi と TeX Tools for mi のインストール

上記サイトから mi を落としてきてパッケージをインストールします。その後 TeX Tools を指定されたフォルダにおけば完了です。各パッケージに添付されている文章を読めば悩むことなく導入できるでしょう。

TeXShop のインストール

上記サイトから TeXShop を落としてきてパッケージをインストールします。紹介しているサイトは英文で書かれていて、ぎょっとしますが、圧縮ファイルを解凍してできたtexshopフォルダのなかの"TeXShop"を「アプリケーション」フォルダに放り込むだけです。アプリケーションは、メニューを含めてきちんと日本語化されいますのでご安心を。

次に自分のホームディレクトリ(ファインダーで家のマークのアイコンをクリックしていけるところ)の「ライブラリ」フォルダの中に新しく「texmf」フォルダを作ってください。さらにその中に「tex」フォルダを作り、またその中に「latex」という名称のフォルダを作ります。(名称はすべて半角英子文字です。~/Library/texmf/tex/latex というフォルダを作ったことになります。)

最初のtexshop フォルダの中には、"pdfsync.sty"というファイルがあります。これを先ほど作った「latex」フォルダに入れてください。これで導入は完了です。

またtexshopフォルダ内には、TeXShop_Folderというフォルダがあります。(なんだかなーなネーミングですが)この中に「日本語版について」という注意書きがあります、重要なことが書かれていますので必ず参照してください。

「TeXShop」アプリの「環境設定...」を開くと設定ウインドウが表示されます。この左下隅に「設定プロファイル」という選択メニューがあります。インストールした"pTeX"パッケージが小川さん版など代表的なパッケージであれば、この設定プロファイルで選択するだけで、すべての設定を自動で適切に行うことができます。自動設定後は、同じく環境設定ウインドウにある「内部設定」という項目の「パス設定」欄を確認してください。ここにtexやlatex、GhostScript(gs)の実行形ファイルがある場所までのパスが正しく書き込まれていることを確認してください。(私の場合、pTeXは小川版で、正しいパスは /usr/local/bin に自動で設定できていました。これらのことは「日本語版について」に書かれています。)


LaTeX Equation Editor のインストール

英語環境でMacOS Xを使われるのならばオリジナルを、日本語環境なら以下で紹介している tkoba さんのサイトからダウンロードしたパッケージをドラッグ&ドロップして導入。その後ソフトを起動したあとで LaTeX Equation Editorの"Prefarences..."設定でlatexとgsの実行形ファイルのある場所(私の場合、/usr/local/bin)を指定してやれば完了です。

LaTeX Equation Editor で数式画像を作るには

この数式エディタは、小さなウインドウにTeXの書式で数式を書くとPDFやTIFFの形式の数式画像を作ってくれるもので、プレゼン資料に貼付ける数式を作るのに便利です。しかし日本語環境ではエラーが出て画像化が行えません。不具合の原因は、文字を表すのに長年使われてきたASCIIコードで、日本語環境の\マークと英語環境のバックスラッシュが同じコードが割り当てられていることによる混乱にあります。詳細はここの記事が参考になります。

最終的にはここから(tkobaさん->立命館大学池田研の小林さん?)ダウンロードしたパッチがあたった LaTeX Equation Editorを使うことでTeXコードで書いた数式のPDF画像化が、うまくいきました。ただしこのパッチがあたったものでも、日本語TeXで使える\Deltaなど\マークを使って式コードを書くとだめです。 LaTeX Equation Editor に式を書き込むにはバックスラッシュを使わなければいけません。

"LaTeX Equation Editor"に日本語環境パッチがあたっているもの(以下、Eq Editor)を使うにはちょっとコツがいりましたので、いかにコツを書きたいと思います。

\→バックスラッシュ変換のコツ

日本語環境でEq EditorのTeXウインドウに数式のTeXコードを書くときには、「ことえり」の文字パレットを出してバックスラッシュに相当する記号(UnicodeのBasic LatainのREVERS SOLIDUSです)を書き込まなければなりません。これがかなり面倒です。miやTeXShopで書いたTeXコードを元にしてカットアンドペーストしようとすると、\マークをバックスラッシュに書き換える必要があります。これらのエディタの検索置換機能を使おうとするとバックスラッシュを入力しても自動で\に変換されてしまうので置換文字として指定することができません。

ここでMacOS標準添付の「テキストエディット」(TextEdit.app)を使います。miなどで書いたTeXファイルをテキストエディットで開いて、これの検索置換機能を使います。テキストエディットの置換設定枠は文字パレットから入力したバックスラッシュをそのまま保持してくれるので、\をバックスラッシュに一括置換することができます。これで作ったTeXコードの数式部分をEq Editorにドラッグ&ドロップで与えればよいのです。

TeXShopに関する追加 Jan 16,2004
日本語対応されているTeXShop1.33では(それ以外もなっているかもしれませんが、確認する意思なし)、\マークで書かれた日本語TeX原稿を開くと\マークの部分をバックスラッシュで表示するようになっています。ところがこれの一部をドラッグ&ドロップすると自動で\マークに戻すようになっています。これは他の日本語TeXシステムとの整合性のための機能と思われます。ここでTeXShopの「編集」メニューの中をみると「クリップボードでバックスラッシュを\に変換」という項目があり、デフォルトで有効となっています。このチェックマークを外してから、必要部分を選択してEq Editorにコピー&ペーストすれば、バックスラッシュのままの原稿が保持されて、うまく数式コードからpdf画像が作成できました。

Eq Editorに数式コードを与えるときのコツ

※ 以下は説明の便宜上、\マークを使っていますが、Eq Editorに与えるためにはバックスラッシュになっていなければなりません。

以下のような数式コードがあったときに、EqEditorにコードを与えるには、\begin{equation}と\end{equation}を除いた中身(赤字部分)だけでかまいません。

\begin{eqation}
	C_{X1}(1)=\frac{4\sqrt{2}}{\beta}
\end{eqation}
次のような複数行にわたる数式は、\begin{eqnarray}、\end{eqnarray}を除いた部分をそのまま与えてもtabコードである&の位置が悪いというエラーが出てしまいます。&を削除して用いてもいいのですが、一行目と二行目の式で=の位置が合わなくなって格好わるくなってしまいます。
\begin{eqnarray}
	C_{X2}(1)&=&\frac{4\sqrt{2}}{\beta}\\
	C_{X3}(1)E_x^n&=&-\sqrt{2} \beta
\end{eqnarray}
そこでEq Editorに与えたるためには以下のように、\begin{array}を付けて行列(array)として指定します。\begin{array}のあとの{rcl}は、&で区切られた列の文字の配置を意味していて、rclで一列目は右寄せ、二列目はセンタリング、三列目は左寄せとなります。これで各行の=の位置をそろえて、左辺は右に、右辺は左に寄せた、式として見栄えの良い配置(と私は感じるのですが)になります。
\begin{array}{rcl}
	C_{X2}(1)&=&\frac{4\sqrt{2}}{\beta}\\
	C_{X3}(1)E_x^n&=&-\sqrt{2} \beta

\end{array}

Eq Editorのライブラリのコツ !というより失敗しないために!

Eq Editorに数式を与えて、みごとPDF(やTIFF)の図を作ったら"Add to Libraly"コマンドでライブラリに登録しておきましょう。こうすることでTeXで書いたコードと数式画像をいつでも呼び出して再利用することが可能となります。せっせと式を書いては追加して、終了!、、、私はここで失敗しました。ライブラリに追加しただけでは画面上で追加されているだけで、まだファイルとしては保存されていません。"File"メニューの"Save libraly as .."で名前をつけて保存しない限り、ファイルとして保存されなかったのです。(しかもよくある「変更内容を保存しますか?」という問いかけも出ずにEq Editorは終了するのです。)せっかく登録した数式情報ですから、確実に保存するようにしましょう。

参考サイト

桐木さんのpTeX package for MacOS X
桐木さん独自のパッケージ配布から各種ツールの紹介、BBSまで完備している見通しの良いサイト。 J. M. Alexander 氏の数式エディタ LaTeX Equation Editor へのリンクがあります。日本語環境では、この数式エディタは正常に動作しません。これを解決する手法や使い方のコツをこの上部に書きました。
髑髏旅館の秘宝館
名前は変だが、TeX環境構築に関してタイムリーな話題が書かれていて参考になった。私みたいな「書ければいい派」には、ここが一番いいかも知れません。
LaTeX 入門
LaTeX の文法解説サイト。過剰な解説に走らず、コンパクトによくまとまっており分かりやすい。

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